●『iCD & ITSS+ を活用しない手はない! ~その2』

       スキル標準ユーザー協会 認定コンサルタント 松本 道典

前回コラム ~その1に続き、5つの観点をご紹介します。

3.人材育成の科学的手法

「タスク診断に時間がかかる、タスクが細かい」等、現場から指摘を受けていると聞きます。
これは担当者が直面する課題の一つになります。
しかし、世の中に目を向けてみましょう。
例えば、新型コロナ感染状況に関して、"安心安全"という抽象論では納得できず、指標の定義、指標ベースにしたステージ基準、ステージを判定するロジック、それらによる将来の予測、そして事実の検証を求めます。
客観的なデータで現状把握することは当然の要求であり、企業活動においても同様です。
必要なデータは多い少ないではなく、科学的な仕組み(データ)をベースに活動すること、これがiCDの目的です。
「活用しない手はありません」

4.経営陣の理解

導入、運用をしていく経過で、「社員の理解が深まりません」と聞きます。
しかし、社員は自己成長にプラスと認識し、理解は深まっていきます。
むしろリスクは、社員より経営陣だと危惧します。
理解あったトップの交代があっても、継続的な運用を継続するためには、
設計時に意思を込めた「要件定義」を常に利用する、組織や人に関しての分析情報を提供する、つまり経営陣にとって有益なデータを提供することが大切です。
結果的に正しい意思決定につながり、iCDへの理解は深まると確信しています。
「活用しない手はありません」。
あわせて、人事制度(システム)とiCDデータを密に連動させる仕組みを作ることをお勧めします。

5.検討よりも実施

人の能力は、単年度で成果が出るものではありません。
日々の実務トレーニング(OJT)の積み重ねで人は成長します。
しかし、課題山積みの現状では、短期で成果が見えない活動はついつい先延ばしになってしまいかねません。
気がつくと3年経っても、人材は成長していない、結果として組織も強くなっていないことになりかねません。
導入検討に費やす時間を最小にし、運用、検証、見直しの経営PDCAサイクルを早く組み込むことが重要だと考えます。
スモールスタートでも問題ありません、優先順位を決めて対象者、役割を追加していけば良いと思います。
組織活動のスピードを重視するとしたら、「活用しない手はありません」

導入検討担当者の皆様の健闘を祈ります。