先日、札幌にてスキル標準に関するセミナーが盛大に開催されました。本セミナーでは、業界の専門家を講師に迎え、多くの参加者が集まりました。セミナーでは、最新のデジタルスキル標準やそれに基づく具体的な導入手順についての講義や企業による事例紹介が行われ、参加者たちは熱心に学んでいました。
セミナー終了後にはネットワーキングの時間が設けられ、講師への質問や参加者同士の名刺交換・交流が行われました。このセミナーは、札幌での学びの機会を提供し、参加者のスキル向上に大きく貢献しました。
概要
・セミナー名:DXを前進させる実践知!人材戦略セミナー in 札幌~ SSUGのノウハウと成功事例に学ぶ、現場で効く人材戦略とは ~
・開催日時 :2025年10月9日(木)13:30~16:45
・開催場所 :北海道経済産業局 601会議室(札幌市北区北8条西2丁目 札幌第1合同庁舎6階)
・主催者 :特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会
・共 催 :経済産業省 北海道経済産業局、株式会社北海道ソフトウェア技術開発機構
セミナーの目的
急速に進化するデジタル技術の時代において、企業や組織が必要とする次世代のデジタル人材を育成するために、「スキル標準」を効果的に導入する方法を学ぶことを目的としています。「スキル標準」の概要や構造を解説するとともに、具体的な導入手順や運用方法、実際導入済み企業成功事例を詳しく説明します。プログラム内容
開会挨拶
・共催代表:経済産業省 北海道経済産業局 地域経済部 製造・情報産業課 課長 竹野 直人 氏講演1
・講演者:特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会 専務理事 高橋 秀典 氏・テーマ:「スキルベース組織に踏み出すには」
講演2
・講演者:キリンビジネスシステム株式会社 品質管理統轄部 品質保証グループ 部長 西井 聡 氏・テーマ:「経営戦略と人財戦略をつなげる、IT人材可視化について」
講演3
・講演者:ANAシステムズ株式会社 総務部 副部長 兼 人事チームリーダー 加藤 誠 氏・テーマ:「iCDを活用した事業戦略と人財戦略の連動」
事務局からのお知らせ&ネットワーキング
・講演者:特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会 事務局ハイライト
開会挨拶
開会の冒頭では、共催を代表して竹野氏よりご挨拶をいただきました。

講演1のハイライト
高橋氏より、DX推進における人材育成の重要性と、その実現に向けた「スキル標準(ITSS/iCD/DSS-P)」の効果的な活用方法について講演が行われました。特に以下の点が強調されました。
・DX成功の鍵は「戦略 × 組織体制 × 人材」の三位一体であること
・iCD・ITSS・DSS-Pといったスキル標準を用いることで、役割とスキルの可視化が可能となる
・スキルベース型組織による柔軟な人材活用とリスキリング促進の有効性
・経営層と社員双方にとってのスキル標準活用のメリット(事業スピード向上・人材の自律的成長など)
また、最新の「DX推進スキル標準(DSS-P Ver.1.2)」についても説明があり、生成AI対応の強化やビジネスアーキテクト職種の拡充など、最新動向が紹介されました。


講演2のハイライト
西井氏からは、キリングループにおける経営戦略と人財戦略の連動を実現するための仕組みとして、KBSが取り組むスキル可視化と育成体系「Polaris」の概要と運用実績について紹介が行われました。この仕組みは、
・スキルの見える化(iCDベースのスキル構造)
・キャリア・スキル体系の整備
・評価・教育・配置との連動
を一体的に運用することで、経営と現場の両面から持続的な人財成長を支えています。
特に、IT人財のキャリア形成を支援しつつ、DX・アジャイル・AIなど新たな経営課題に対応できる人財を継続的に育成するための取り組みが報告されました。
今後は、「KIRIN Digital Vision 2035」の実現に向け、経営課題である「価値創造」と「生産性向上」を支える人財育成体系として、Polarisの継続的な発展を図る方針です。


講演3のハイライト
加藤氏からは、加藤氏からは、ANAシステムズにおける事業戦略と人財戦略の連動を実現するための仕組みとして、同社が推進する「iCDを活用したスキル評価と人事制度の連動」について紹介が行われました。この仕組みは、
・iCDを基盤としたスキル評価フレームの構築
・ATMSによるスキル管理
・中期人財ポートフォリオに基づくASIS/TOBE分析
を一体的に運用することで、経営戦略と人財成長を両立する仕組みを実現しています。
特に、DX推進やデータサイエンス、AIといった新たな事業領域に対応できる高度IT人財の育成に力を入れており、「Udemy」などの学習プラットフォームを活用した自律的な学習環境の整備を通じて、社員一人ひとりが自らのスキルとキャリアを可視化し、主体的に成長できる体制を構築しています。
今後は、ジョブ型人事制度の本格運用を通じて、「スキルに基づく公正な評価」と「事業変革を支える人財ポートフォリオ」の確立を目指し、人事制度とスキル評価のさらなる統合・発展を推進していく方針が示されました。


事務局からのお知らせ
最新のISVマップのご紹介や情報交流委員会の活動報告と募集がありました。また「iCD活用企業認証」や「スキル標準キャリアコンサルタント/アドバイザー認定資格制度(Silver認証)」の告知も行われ、認定・資格取得による仕事の質や信頼性の向上が強調されました。さらに、今後開催予定のオンラインセミナーやカンファレンスについての説明も実施しました。