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認定コンサル コラム 第29回

見直されるITSMの重要性

大石 雄 (認定コンサルタント)

ITSSのV2から、運用に関する分類がなされ、ITSM(ITサービスマネジメント)としてレベル7まで定義されています。過去には、保守や運用と言う業種は、いわば開発の付属品のような扱いでした。(語弊があったらすみません)しかし、最近は保守・運用の重要性が見直されてきています。

私はコンサルタントや研修講師として、いろいろな企業とかかわります。スキル研修や、新入社員研修、効果的な研修教材や教育ゲームの開発や、教育カリキュラムの作成などなど。

新入社員研修を見ていて、常々感じていた事があるのですが。一昔前ですと、プログラマーとしての適正がある人は、新入社員研修後に、多くが開発やSEに配属されます。しかし、いわば落ちこぼれ組は運用に廻されるというパターンが、大変多かったと観察しております。やる気のある、モチベーションが高いメンバーが開発に取られてしまうのですから、運用要員はやる気が無く、とりあえずミスさえ犯さなければ良いという環境で仕事をする事になります。ですので、保守・運用の部門は、自ら進んで何かをするというよりは、指示されたことだけを行うという、受身姿勢の作業者が多くなります。もちろん、正確性が求められる作業ですので間違いではないのですが、一昔前はそれでよかったかもしれません。(すみません、全部がそうだと言っているわけではありません。あくまでも、そのような状況が多かったな。。。という事を思い出しただけです)

しかし、本当に、今後もこれで良いのでしょうか?

考えてみてください。今や、どこの企業でも何らかのシステムを利用しています。と言うことは、誰かがどこかでそのシステムの運用作業を行っているのです。企業にとっては、システムがダウンした時の被害は計り知れません。、最近では震災の危険、サイバーテロリストの危険、その他、いつ何が起きてもおかしくない時代になってきました。その上、情報と言うものが、会社にとって貴重な「資産」と言われるようになりました。

そこで、最近見直されているのが、保守・運用の大切さです。丁度、金庫番のように、会社の大事な資産のお世話をしているのです。万が一の時には資産を守り、必要なメンテナンスを行い、バックアップを取るなど、一見、地道な作業ですが、どれも欠かす事ができない大切な業務なのです。今まで、保守。運用にはあまりお金をかけないで、最小限で済まそうという考えも少なくなかったですが、最近では、セキュリティー面、対応の素早さなど、金額面以外の要素が評価される事が多くなっています。

そこで、ITSSでは地味ではあるが大事な業務に光を当てるため、ITSMという分類がなされ、保守や運用を行ったりその設計を行ったりするエンジニアを、きちんと専門職として評価するという流れになったわけです。ちなみに、ITSMでも、レベル7が設定されております。決して、開発やコンサルタントなど、他の職種のおまけ的な扱いでは決して無い事も明確になっています。

さらに最近では、保守・運用要員が、大きなビジネスチャンスを握っているといっても過言ではありません。保守・運用を行っている要員は、ある意味、「そのシステムの良い点、欠点、弱点」など、隅々まで熟知しているといっても過言ではないからです。(実際のところは、作業者によります。指示されていることに関してのみを、特に深く考えないで作業を行う、いわば機械の歯車のような動きをする作業員ならば、システムについてはよくわからないでしょう。逆に、発生するインシデントに対して、機敏な反応を示し、その解決策、再発防止策など、さまざまな検討を行う作業員であれば、それこそシステムに詳しくなります)それで、多くの企業では、ITSMの分野のエンジニアの教育に力を入れ始めているわけです。
このような流れで、私の所にも保守・運用関連の教育プログラムの開発や、研修の実施を依頼されることが急に増えてまいりました。私は、座学中心ではなく「楽しく学ぶ」事をモットーにしているので、教育ゲームで遊んだり、体験演習やシミュレーターなどを使うなどして、実体験を繰り返しながら、自ら気付き、学ぶ研修を行っています。(今、何本も保守・運用の体験演習型の研修ツールを作っています)

 私がITSSにかかわるようになってから、もう約10年近くになります。日本の環境は急激に変化し、世界も変わりつつあります。そのような中で、いつも「IT業界が向かうべき道はどこなのか?」「今、どのような人財が必要とされているのか?」などという事を意識し、時代のニーズにあった教育制度を作り続ける事が、教育者の使命ではないかと感じております。それで、私はいつも、このように言っています。「研修は生き物だ」と。そのとき、その時によって変化し、いつも進化し続けるものだと。

 今、見直されているITSMという分野において、効果的で楽しく学ぶことができるための教材を、日々、試行錯誤しながら作り続けている、今日このごろです。

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