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認定コンサル コラム 第22話

「深化した共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)」について

高橋 秀典(シニアコンサルタント)

皆様、日ごろのSSUGへのご協力に感謝いたします。
今回は、昨年IPAから公表されました「深化した共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)」についての概要をお話しします。

 昨年の後半はIPAとともに、北海道から沖縄までCCSFの活用を中心とした地方講演を続けてきました。その集大成は12月1日・目黒雅叙園での「スキル標準ユーザーズ・カンファレンス2012」でした。
私が講演させていただいた「スキル標準最大有効活用法」は、このフレームワークを使った本格的導入手法の解説で、400名の会場で立ち見が出るほどの盛況でした。

新モデル策定の背景
CCSFとして新しく提供する背景には、複数のスキル標準、例えばITSSとETSSや、UISSとITSSを活用しようとしても、考え方や構造の異なる部分があるため、そのニーズのある企業は大変苦労をしているという現実があります。せっかく導入しても、別管理されているところも多いようです。
また、中身の改善も別々に行われており、有効な情報や手順のシェアもしにくい状態です。先行して、IT業界に定着しつつあるITSSでさえ、大手でさえメンテナンスや継続運用に四苦八苦しているというのが周知の事実です。クラウドなど環境が変われば、すべてを見直さないといけないような構造は、これからの変化についていけるはずもありません。
3つのスキル標準は膨大な量であり、共通的な部分も多くあるものを、それぞれを別管理、別メンテナンスしていくのは、大変な無駄な作業もあると考えられます。
 将来性を考えれば、今回の取り組みはMUSTであったと言えます。

CCSFの構成とコンセプト
これは、既存の3つのスキル標準(ITSS、UISS、ETSS)を、3つのモデルでくくったもので、構成や考え方の異なる3つのスキル標準を、有効活用するために考案されたものです。
・タスクモデル
求められる機能や役割(課される仕事)を定義したもの。
タスクというのは、理解が異なる可能性もありますので、ファンクションと捉えた方が分かりやすいと思います。企業目標を達成するために必要なファンクションということです。

・人材モデル
 求められるタスクの役割分担を例示したもの。
 ITSSの職種専門分野は人材像でも役割でもなく、プロフェッションの分類ですが、導入しようとした企業は理解不能に陥り、結局職種専門分野=人材像と位置づけてしまいました。使い方と定義内容が異なるために、いろいろな矛盾を引き起こし、利活用をさらに難しくしてしまったのです。
 ここでは明確に役割のモデルであると定義しています。

・スキルモデル
 タスクを支えるスキル/知識を整理し、3つのスキル標準のスキル定義を一元化したもの。
 先ほどのファンクションを遂行するために必要なスキルです。今後、これがスキルディクショナリとして共通化されていくことになるでしょう

 CCSFのコンセプトは次の通りです。

・今まで個別にスキル標準を使っていた企業には、直接の影響を与えない
 3つのスキル標準は新モデルが出ても併存する形となります。
・これから導入活用する企業は、この新モデルだけを対象にすればよい
 3つのスキル標準を個別に理解する必要はなく、この新モデルのみの理解で、3つのスキル標準の必要な部分を、自由に使いこなせる。
・今まで個別のスキル標準を使っていた企業は、新モデルで現状の検証、改善ができる
 たとえば、ITSSを活用していた企業も、この新モデルで現状の有効性の検証や、さらに合ったものにするための改善活動が容易になります。

将来性を十分に考慮したCCSF
 以前は、職種や人材像のレベルに情報処理試験がマップされていましたが、その方法では激しく変わる環境や急速に進歩するIT技術に追いつくことができません。そのたびにクラウド人材など新しい職種を作れと騒ぐ人が出てきます。

 根本的に分かっていない近視眼的な考えではなく、自由に組み立てるにはどうするかを考えるべきだ、ということです。

 もちろん前提は企業導入であり、だからこそタスクを組み立てるという方法が成り立つのです。企業ごとにビジネスモデルや事業戦略が異なる、そのビジネス目標達成に貢献する人材を育成する計画でなければ意味がないということです。

 CCSFのアーキテクチャは、それを解決するためのものであり、だからこそタスクが軸となっているのです。

 情報処理試験がタスクに結びついているのも、企業独自のタスクにかかわらず、人材育成に有効活用できるようにと考えられてあるのです。

 使う側の利点だけではありません。いままで各スキル標準のメンテナンスには多くの時間やコストがかかってきました。それをCCSFでまとめることにより、一本化した改善・改訂ができるのです。同じく、情報処理技術者試験も論理的に組み立てることができます。

 何かが変わったからすべてを見直さなければならない―、ようやくその呪縛から脱することができそうです。

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